学校ごとにある暗黙のルール。校則よりも守らなけらばいけないルールが分からない稀子だった。
好きってなんだろう...私の好きは人を傷つけてしまう。人と話すことが怖くなって勉強よりも難しい...
友達との物の貸しっこ。貸したままの物が返ってくる事はなかった。執着心がないが故に心ない人の標的になる稀子だった。
ノコギリを使った授業で苦戦する稀子。立体的に見ることが出来ないこともあって、技術も苦手な授業だった。
恋愛なんて別世界の話。けれど私の周りの人たちにとって恋愛はその人の基準値を表していた。自分がまたズレている...そうとしか思えなかった。
テストが終わった後の打ち上げ。自分には無関係と思っていた。行くことはないだろうと思っていたけれど、ある日突然誘われた。ハイテンションの笑顔に感じる違和感にどうする?
言葉の意図を読み取れなくて、クラスメートとの距離を感じてしまう。生活のし辛さが徐々に出て来る。
お笑いが好きなのに、人の冗談と本気がわからない。わかったふうに振る舞う事さえ見透かされる。
人との距離をいくら気をつけても、不意に感覚がわからなくなる。誰にも聞けない人との距離に悩む稀子だった。
人との距離の取り方がわからない。そんな言葉は誰も信じてくれず、次第に人が怖くなる。
美術で独特な個性を発揮する??作った塊が誰も見たこともない新種の動物になっていく...。
学校の球技大会。みんなの本気が担任の財布の紐を緩くする。大会に参加するものの透明人間のようにスルーパス。一人だけ透明人間になった日。
体育も苦手でリレーのアンカーに憧れていた。視力も悪くバランス感覚もない、体育になると逃げ出したい私。全てフィルターのかかったモヤった世界。
物を立体的に見ることが難しい私にとって、美術の授業もなかなかハード。先生の言葉のニュアンスさえも理解できない私は、個性と言う魔法の言葉に守られる。
私には合っていた個人塾。テストの度に橋からバンジーしようかと考えてしまう程、出来ないテスト。普通に振る舞えば振る舞うほど、普通に見えない私。
テストを受けるだけでもパニックなのに、私の場合、パニックの先は真っ白。ただただ汗をかくだけで、問題さえ頭に入らない。今でも夢で私を悩ませる。
誰もが楽しい給食が私にとって拷問で、食べないことを簡単だと思って選んでしまった私。のちに女子からの口撃に遭う。
二つ同時に出来ないことに気付かない私。行動の遅さも重なって、自分自身に呪いをかけていたことにも気付かない。
朝礼前のみんながじゃれ合う時間、一人無言で大汗かいて、、、違和感を感じても誰にも言えなくて、自分の言葉で自分を洗脳していた。
ただ歩けばいいだけなのに、それさえもままならなくて、登校する友達が出来て嬉しい反面、人に合わせる難易度がupした。
毎朝、時間に追われマイペースって言葉で片付けられてしまうもどかしさと、私の心の叫び。
中学生の時、いつも人と違っていつもパニックで、みんなと違うことが怖かった私の明日への道しるべ。